幼少時だからこそ、繊細な音、声に大事に触れよう♪
声と心の専門家です。歌のステージを数多くこなしながら、特にお子さんや保育者のかたの相談にも沢山乗ってきました。
そんな私が、乳幼児期、幼少期に本当に大事だなぁと思うことの1つ、繊細な感覚、について、お話ししてみようと思います。
赤ちゃん~子ども期の耳
赤ちゃん、子ども時代に、実は一番大事に、獲得していった方がいいものは何だと、皆様は思われますか?
色々な意見があると思いますが、
それは感覚ではないかと、私は考えます。それもなるべく自然の、優しい(微細な)感覚です。
目にするもの、耳にするもの、匂い、味…その他。今の世の中は、多くの情報で溢れています。そして、その多くが人工的なものであり、さらにその大半が経済的なものでもあるのが現代だと思います。
それは本当にあなたの心を満たしますか
人の感覚は、刺激のあるものに、まずは興味を惹かれ、心を奪われる、という特徴があります。
刺激のあるもの、というのは、
強いもの(ボリュームの大きい音)とか、
珍しいもの(初めて聞く音、変わった音)とかです。
でも、
今の大人の感覚で「価値がある(とされている)もの」は、
今の大人の社会で生きていくための価値です。
それはそれでいいのですが、絶対的なものではありません。
でも、早くからそれらを子どもに与えていく、触れさせていくのがいいことなのかというと、
そうとは限らないと思います。
もちろん、「今の大人の社会」で「経済的に豊かに生きていくため」、にはいいかもしれません。
しかし、もっと根源的なものがあると考えています。
自然の音、声を無理なく感じよう
今の大人の社会の常識は、これからのお子さんの時代の社会の常識とは
同じとは限りません。
また、経済的豊かさと、心や生命の豊かさというのは、必ずしも一致しません。
であれば、この、何にも評価されたり、ジャッジされたりしないで済む(はずの)、人生の貴重なこの時期に
自分自身の感覚、自然と自分とのつながりの感覚、などを
じっくり味わいながら、体験していくのは、それこそがとてもとても豊かなことだと思うのです。
それはもしかしたら、
お子さん自身が、これから様々な体験をし、辛いことやくじけそうなときも
なにか、ふと振り返れるような、思い出せるような、微細な感覚。
そこに宿る記憶。
自身が生きていく意味のような、この世界での安心感のような微細な感覚。
そのようなものと、結び付いてくかもしれません。
そういう自然で繊細な感覚を、驚きや喜びと共に、赤ちゃん・子どもの時期に、沢山沢山、体験してほしいなと思います。
その結果、お子さんご自身の生きていくことの土台が、少しでも太く大きいものとなれば、素晴らしいと思います。
子育てしながら、子どもの頃の自分も追体験するのもいいですね
ちょっとした声の変化で、愛されていることを感じたり、
虫の鳴く声に、同じ地球で生きている仲間の連帯感を持ったり。
幼いころの体験は、意識としては忘れても、どこか身体や心の奥底に眠っています。
大人になっても記憶として残っている、微細な感覚、そこでの安心感や喜びや驚きは、とてもとても大きな財産になると思います。
そして、お子さんがそのような体験をしているのを見ながら、大人である私たちも、子どもの頃の自分を思い出すと思います。そして、よい思い出であれば懐かしく追体験をしたり、できなかったことや後悔することがあれば、それをやり直してサッパリさせることもできるかもしれません。そんな機会にできたら、それもまた素晴らしいですね。